妊娠中の麻疹(はしか)は重症化しやすい・・・。
かかったらどうなる?
今できる予防対策は?
お医者さんに、妊婦の麻疹(はしか)感染リスクと予防方法を聞きました。
予防接種や抗体検査についても解説します。

監修者
荒牧内科
院長
荒牧竜太郎 先生
妊娠中の麻疹(はしか)は重症化しやすい
麻疹(はしか)は重症化することがあります。
<麻疹(はしか)の合併所の例>
- ウイルス性肺炎
- 細菌性肺炎
- 巨細胞性肺炎(※)
- 脳炎
- 中耳炎 など
※細胞性免疫不全の際にはしかを発症すると起きる肺炎。予後不良な場合が多く死亡する場合もある
胎児への影響は?
・羊水量の異常や新生児麻疹(出産時感染)
などのリスクがあります。
麻疹の抗体がないと重症化し、肺炎、急性脳症、中耳炎といった合併症を発症するリスクがあります。 また、早産、流産の頻度が上昇するという報告もあります。
夫婦揃っての予防対策が大事!
麻疹は治療薬が無いため予防が重要なのです。
また、麻疹は感染力が大変強いです。インフルエンザよりも感染力が強力であるとされています。妊婦だけが気を付けていても、家族が感染してしまえば、妊婦が家庭内で感染するリスクが高くなります。
小さな子どもや、30~50代の男性は予防接種による抗体がない可能性があります。
特に、2005年4月1日生まれまでの人(予防接種していない、もしくは予防接種が1回の世代)は、 抗体が十分についていない可能性があります。
また、2回予防接種を受けていても、抗体が持続しない人もいます。その場合は、予防接種を2回受けていても感染する場合もあります。
妊婦の麻疹(はしか)予防対策
外出後は、手洗いとうがいを行い、マスクは新しいものに取り替えましょう。
しかし、麻疹は感染力が強いので、これだけでは十分とは言えません。家族に麻疹の抗体検査してもらい、抗体がない家族がいる場合は予防接種を受けてもらいましょう。
1回かかっているから大丈夫…ではない?
ただし、自分では「麻疹にかかったことがある」と認識していても、勘違いであることも多いのです。
麻疹は勘違いしやすい感染症
はしかの主な症状は、高熱・くしゃみ、咳・発疹・リンパ節誇張などです。これらの症状は、風邪など他の病気のも多く見られるために、自分では麻疹に以前感染したと思っていても、ただの風邪だったという場合が実に多くあるのです。
抗体検査の受け方
保健所に問い合わせれば、どこの病院で受けられるかわかります。
費用は各医院によって違いますが数千円ぐらいのところが多いです。各医院に問い合わせてみてください。
他に妊娠前に調べたほうがいい「風疹」や「おたふく風邪」の抗体があるかも同時に調べることが可能です。
※別途費用がかかりますので、各医療機関に問い合わせましょう。
予防接種の受け方
いつ受ける?
予防接種を受けた後、2ヶ月間は避妊しましょう。
また、妊娠中は、麻疹・風疹混合ワクチンの接種ができません。