子どもから血便が出た!
でも子どもは元気…。病院へ行くべき?
心配いらない血便と、病院に行くべき血便の特徴をお医者さんが解説します。

監修医
高座渋谷つばさクリニック
院長
武井智昭 先生
心配いらない血便
子どもがお腹を痛がる様子もなく、「便の表面に少量の血がついている」「お尻を拭いた時に血がついたと」いう場合は、切れ痔が考えられます。切れ痔は、便が出る時に肛門内部や外部の皮膚が切れてしまう症状です。便秘気味、ウンチが硬い、下痢の後などに見られます。
切れ痔の対処法
切れ痔になったら、便秘や下痢の原因を取り除きましょう。
便秘の場合は、水分を取らせて、野菜や果物などの食物繊維を食事に増やしましょう。また、トイレ習慣をつけて、ゆっくりトイレに座れる時間を作ってあげましょう。
下痢の場合は、よく噛む習慣をつけ、冷たい飲み物や食べ物は控えて体を冷やさないようにしましょう。子どもは、よく噛まないと消化不良を起こして下痢をします。
すぐ病院に行くべき血便
・感染性胃腸炎
・腸重積
の2つがあげられます。
原因1.感染性胃腸炎
細菌・ウイルスが原因で、血便・下痢・嘔吐・発熱などの症状が現れます。
<症状の特徴>
- 便が緩くなり、下痢がみられる。
- 腹痛や発熱、嘔吐を伴う
親がおこなうべき処置
細菌・ウイルスの付着した手で、ものを食べたり、指をしゃぶったりすると感染します。手洗いをこまめに行い予防しましょう。
原因2.腸重積
2歳くらいまでの子どもに発症します。
腸の一部が、腸内部に引き込まれるという現象がお腹の中で起こります。
この現象が起きるとものすごい痛みを感じるので、子どもは急に大泣きします。
<症状の特徴>
- イチゴゼリーやジャムのような便
- 嘔吐も伴う
- 耐えられない痛み
親がおこなうべき処置
便の変化に伴い、元気がない・お腹を痛がる・ぐったりしているなどの症状がある場合は、すぐに病院を受診してください。
血便かと思ったら…よくある勘違いも
赤い食べ物を大量に食べると、便が赤くなることがあります。
トマト、イチゴなど大量に食べると消化不良で、そのまま便に含まれて出てくるのです。
まずは落ち着いて様子を見ましょう。
子どもが元気そうで、よく動いているのであれば基本的に大丈夫でしょう。
「腹痛」や「下痢」を伴うケースの対処は?
この場合、ウイルス性や細菌性の感染症が考えられます。下痢や嘔吐は、水分や塩分が体からなくなります。
体を冷やさないようにして暖かくしてください。部屋も温めましょう。
下痢や嘔吐は、体の中に入り込んだウイルス・細菌を追い出している反応です。
無理に止めずに見守ってください。原因菌が減っていけば、腹痛もおさまっていきます。
病院受診の目安
特に、下記の症状もある場合は、早めに受診してください。
- 腹痛を伴う
- 痛みで動けない
- 泣き止まない
- 顔色が悪い
- 発熱がある
- 血便が少量でも続いている
- 下痢や便秘が多い
- 元気がない など
救急診療が必要な場合
- 大量の血便
- 動けない
- 冷や汗
- 嘔吐
- ぐったりしている
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記事は、健康検定協会から提供されています。