ほくろが顔の目立つ部分にあると、気になることがありますよね。
個数が多かったり大きかったりすると、メイクでもなかなか隠し辛いものです。
また、「以前よりもほくろが増えている」「大きくなった!」という声もよく聞きます。
そこでこの記事では、ほくろが増える理由や予防法について、皮膚科医が詳しくご紹介します。
皮膚がん(メラノーマ)との見分け方もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
監修者
小田原銀座クリニック
形成外科医
長谷川 佳子先生
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
平成26年よりKO CLINICに勤務
平成29年2月より小田原銀座クリニックに勤務
ほくろが増える5つの理由
なぜほくろが増えるの?
これは、ほくろができる原因が、肌を守るために肌内部で排出される、メラニン色素※だからです。
メラニン色素は、紫外線などの影響を受け出てきますが、表皮の細胞内に取り込まれ、通常は、ターンオーバーに寄って排出されます。
また、女性の場合は妊娠・出産などで、ホルモンバランスが崩れやすい時期は、メラニンの排泄が正常にできなくなり、ほくろができやすいことがあります。
※メラニン色素… メラニンとは黒色の色素のこと。メラニン色素によって紫外線を吸収し、身体が受ける紫外線ダメージを軽減しています。
加齢によるターンオーバーの遅れ
加齢によってターンオーバーの日数が遅れがちになると、シミ同様にほくろが 増える人もいます。
紫外線を多く浴びる
紫外線を多く浴びる人や衣類で覆われていない顔面や腕などは、それだけ多くメラニンが排出されます。
メラニンの排出が間に合わない・メラノサイト※が異常に働くなどの影響で、ほくろができてしまう場合があります。
※メラノサイト…色素細胞やメラニン細胞とも呼ばれ、メラニンを作り出す細胞です。
外部からの刺激
体の同じような部分が擦れるような服をよく着ている・何らかの作業により同じ部分がこすれるなどということがあると、その部分にメラニンが多く出ることで、ほくろが増えます。
体質
小さい頃からほくろができやすい・元々ほくろが多いというのは、体質の影響である場合が多いです。
大きさが変わらない、ほくろの輪郭がしっかりある、色むらがなく不明瞭でない、といったものは通常のほくろ(単純性ほくろ)で、 良性なので心配はありません。
また、ほくろに遺伝性は認められていません。
また、日本人はもともとシミやほくろができやすいようです。
ストレス
ストレスが多いことでホルモンバランスが崩れ、メラノサイトの働きが活発化し、ほくろが形成されやすくなります。
脱毛でほくろが増えるって本当?
脱毛治療には、紫外線は使用されておらず、光線の刺激でメラノサイトが活性化されることもありません。
そのため、逆に黒いほくろに光線が当たると反応してかさぶたになり、ほくろが取れてなくなってしまうこともあります。
大きめのほくろの場合は、光線に当たった際に痛みを感じてしまう場合もあるので、ほくろは避けて照射されます。
赤いほくろの正体
刺激を受けた場合や、紫外線の影響、老化現象の一種として現れます。皮膚内部の毛細血管が異常に増殖をして発生します。
一度できると、治療しないかぎり消えません。むしろ、増えていきます。
病気の場合も!皮膚がんとほくろの見分け方
危険なほくろの特徴
注意していただきたいのは、
- ほくろが、以前に比べて大きくなってきた
- 出血をしたり、かさぶたになったりした
- ほくろの形が変わって、ほくろの周りがギザギザに変形してきた
- ほくろの色がまだらになってきた
などを感じた時です。
ほくろが、メラノーマ(悪性黒色腫)という皮膚がんに変化した可能性があります。
顔以外にも特に足の裏・手の平・爪・指などにできる場合があり、その他、胸・腹・背中など体の中心部や手足の付け根に近い部位にもできやすいです。
その辺りにほくろができて、上記に挙げたような変化があれば、一度病院を受診しましょう。
病院は何科を受診?
皮膚科、形成外科を受診しましょう。
ほくろを増やさないための予防法
紫外線を浴びる人は、日焼け止めをこまめに塗りましょう。
皮膚をこする癖や、掻く癖などがある人は、それらをやめましょう。
また、ターンオーバーを停滞させるストレス、寝不足、運動不足のある生活は、ほくろを増やしてしまう原因になります。
適度に体を動かし、よく寝て、ストレス発散を心がけましょう。
ビタミンCのサプリやトマトもおすすめ
ハイチオールCやトランシーノなど、シミに作用する市販薬やビタミンCのサプリメントなどもメラニンの生成を抑制するのでおすすめです。
さらに、シミは活性酸素が体内に多いことでも発生しやすくなります。そのため、活性酸素の発生を抑える抗酸化成分”リコピン”(トマト、トマト加工品 等)や”アスタキサンチン”(鮭、いくら 等)が多い食品などもおすすめです。
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記事は、健康検定協会から提供されています。