女の子の陰部にかゆみがある!
おまたを痛がる…大丈夫?
かゆみ・痛みの原因と何科を受診するべきかをお医者さんが解説します。
市販薬の使用の可否や、やってはいけない対処法も聞きました。
監修者
高座渋谷つばさクリニック
院長
武井智昭 先生
女の子の陰部のかゆみ、何科に行く?
陰部のかゆみ原因1.「外陰腟炎」
外陰腟炎は、かぶれ・炎症によってかゆみを感じます。
女の子の外陰部は、非常にデリケートです。下着が擦れただけ炎症を起こすこともあります。洗濯洗剤へのアレルギーや、自転車に長時間乗って擦れることで炎症を起こす子どももいます。
外陰腟炎がひどくなると、水疱ができてしまい痛みがでたり潰瘍できたりする場合もあります。トイレットペーパーの刺激も痛いので、拭き取りを嫌がる子どももいます。
治し方
下着や衣類のムレでかゆみが出ているだけであれば、患部を清潔にして、風通しの良い衣類を身につけるようにします。
常在菌が原因の場合もあります。菌が原因の場合、抗菌薬の外用あるいは内服が必要となる場合もあります。かゆみが強い、数日経っても快方に向かわない場合は、病院を受診しましょう。
かゆみ原因2.「カンジダ皮膚炎」(※外陰腟炎の一種)
カンジダというカビが原因で発症します。
膣に強いかゆみを感じます。おりものがポロポロした状態になるのも特徴です。
カンジダは常在菌の一種なので、常に皮膚に存在しています。体調の悪化や免疫力が低下すると常在菌のバランスが崩れて、カンジダが大量に発生してカンジダ皮膚炎を発症します。
治し方
かゆみやおりものの変化があり、カンジダが疑われる場合は病院を受診しましょう。
風邪をひいた後や、疲れが溜まっていると症状を繰り返してしまう場合もあります。
かゆみ原因3.「インキンタムシ」
白癬菌(水虫の菌)というカビが原因で、肛門・性器・ヒップ・太もも周りにまで赤い発疹が現れます。
かゆみは強く、我慢するのがつらい症状です。周りの人や家族からも感染します。
治し方
ステロイド軟膏では悪化する場合もあり、赤みがあってかゆいからといって自己判断で薬を使用しないでください。
人にうつるので、タオルの共有は避けましょう。病院では菌を確認し、抗真菌薬を使い治療します。
黄緑色のオリモノに要注意!
黄緑色のオリモノが出る場合は、細菌性腟症、クラミジア、子宮頸管炎などになっている可能性があります。
この場合は、病院では抗菌剤を投与します。
市販薬で対処してもいい?
市販の軟膏(リンデロン、ロコイド等)を子どもに使用しても大丈夫でしょうか?
市販薬は、治療対象にあってれば使用量・用法を守れば問題ありません。しかし、隠部にかゆみをもたらすカビ菌の中には、使用すると悪化するものもあるので、自己判断で使用はやめましょう。医師に薬を見せて使用可能かを確認すると良いでしょう。
やってはいけない!NG対処
症状が落ち着いても、決まった日数は使用しましょう。
病院へ行くべき目安
・かゆみが強くなっている
・かゆみの範囲が広がっている
・外陰部に水疱やおでき(潰瘍)がある
といった場合は、早急に病院を受診しましょう。