C型肝炎の治療につかう薬の種類は?効能や副作用について
健康検定協会公認医師ライター 岡村クリニック 院長 岡村長門先生による健康ピタ掲載記事です。
C型肝炎は、薬の進歩によって、治療やコントロールができる病気になってきました。
必要以上に病気を恐れないために、治療を受けるときは、薬や治療方法について医師ときちんと相談しましょう。こちらの記事では、C型肝炎の治療に用いられる薬の種類やメリット、副作用について解説します。
C型肝炎の治療法
C型肝炎の診断を受けたら、まずは検査で『病気の進行度』と『C型肝炎のウイルス量』、『遺伝子型』(ジェノタイプまたはセログループ)を調べます。その結果に応じて、それぞれの型にあわせてより効果が期待できる組み合わせを検討しながら、治療方法を決定します。
1 .C型肝炎の治療の目的
C型肝炎の治療の目的は、慢性肝炎から『(非代償性)肝硬変』への進行や『肝癌』の発生を予防することです。そのため、C型肝炎ウイルスを排除する『抗ウイルス療法』、あるいは、病気の進行を抑えるために肝臓機能の正常化をはかる『肝庇護(かんひご)療法』を用いた治療を行います。
2.抗ウイルス療法
抗ウイルス療法は、C型肝炎ウイルスを体の中から排除するための治療法です。以前は注射で行う『インターフェロン治療』が多数を占めていましたが、最近では飲み薬だけで治療する『インターフェロンフリー治療』が主流になっています。
●インターフェロン治療
インターフェロン治療は、『インターフェロン』という物質を注射によって投与する治療法です。インターフェロンは、もともと私たちの身体の中で作られるたんぱく質の一種で、免疫機能にかかわっています。投与することで、身体の免疫機能を活性化させ、C型肝炎ウイルスを排除します。これだけでウイルスの抑制が不十分な場合は、抗ウイルス薬と組み合わせて治療を行うこともあります。
●インターフェロンフリー治療
インターフェロンフリー治療は、『直接作用型抗ウイルス剤』という薬を服用する治療法です。直接作用型抗ウイルス剤は、ウイルスに直接作用して、その増殖を抑える薬です。これによりC型肝炎のウイルスを排除します。飲み薬のみで治療が行えて、副作用も少ないです。毎日飲み続ける必要があり、治療期間は3~6か月ほどです。
3.肝庇護療法
肝臓の炎症を抑え、病気の進行を防ぐ治療法です。
ウイルスを直接排除する効果はありません。すでに肝硬変や肝がんに進行している場合や、抗ウイルス療法で効果がみられなかった場合に用いられます。
炎症を抑える作用をもつ、『グリチルリチン製剤』や、『ウルソデオキシコール酸』を毎日服用するか、定期的に注射して投与します。
薬で治すC型肝炎!効能と新薬のメリット
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