なんだか疲れやすい、すぐに動悸(どうき)や息切れを起こす、暑がりで汗かき……、そんな症状に悩んでいる人は「バセドウ病」かもしれません。これは女性がかかりやすい甲状腺の病気です。
今回はバセドウ病など、「甲状腺の病気」について岡村長門 医師(岡村クリニック院長、外科認定登録医、健康検定協会公式ライター)に詳しく解説していただきました。
■甲状腺の病気は大きく3つに分けられる
甲状腺とは、喉仏の下にあるチョウのような形の器官で、甲状腺ホルモンを作る働きがあります。この甲状腺に発症するのが「バセドウ病」などの病気です。甲状腺の病気は、大きく「自己免疫疾患」「炎症」「腫瘍」の3つに分類できますが、いずれも女性がかかりやすいのが特徴です。
●甲状腺機能が亢進(こうしん)する「バセドウ病」
「バセドウ病」は後天性自己免疫疾患のひとつで、「甲状腺機能が亢進(高い度合いで進むこと)している病気」です。グレーヴス病ともいいます。
バセドウ病は誰でも発症するものですが、甲状腺の病気自体、女性が罹患しやすい病気です。男性:女性=1:4の割合で、圧倒的に女性が罹患しています。年代としては20-30代で発症する人が多いほか、更年期(40-50代)や出産後の女性などが罹患しやすいという特徴もあります。なお、15歳以下の発症は数%ほどで、小児の場合は難病疾患としても指定されています。
バセドウ病の症状は以下のようなものです。
手足が震える
食べているのに太らない、痩せる
疲れやすい
おなかを壊しやすい
精神的に不安定でイライラする
運動をしていなくても動悸がする
眼球が突出する
甲状腺が腫れる
バセドウ病は免疫系の病気です。体内で甲状腺を刺激する抗体が作られ、この刺激によって甲状腺は過剰にホルモンを分泌してしまいます。免疫システムの異常で自分の体を攻撃する抗体を作ってしまう「自己免疫疾患」の一種なのです。
その他の甲状腺の病気「橋本病」「亜急性(あきゅうせい)甲状腺炎」「腫瘍性疾患」については
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